平凡理学療法士のメモ書き

埼玉県で働く平凡な理学療法士によるメモ書きみたいなものです。自分のアウトプットでもあり、それを読んで少しでもタメになる人がいればと思います。

脳卒中に関するエビデンス(認定試験)

皆様、エビデンスって活用出来ていますか?

僕は十分に使いこなせていないです…。

 

来月3月2日に脳卒中の認定試験に向けて脳卒中に関するエビデンスをまとめてみようと思います。

エビデンスなくしては根拠を語れないですからね〜

もちろんエビデンスが全てではない事を前提にですよ(笑)

 

◾️脳卒中リハビリテーションの流れ

発症直後から、急性期、回復期、維持期に渡って、一貫した流れでリハビリテーションを行うことが勧められるが、時期の区分については十分な科学的根拠がない。(グレードC1)

 

◾️急性期リハビリテーション

不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとに出来るだけ発症後早期から積極的なリハを行う事が強く勧められる。(グレードA)

その内容には、早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などが含まれる。

 

脳卒中ユニット、脳卒中リハビリテーションユニットなどの組織化された場でリハビリテーションチームによる集中的なリハを行い、早期の退院に向けた積極的な指導を行うことが強く勧められる。(グレードA)

 

急性期リハビリテーションにおいては、高血糖、低栄養、痙攣発作、中枢性高体温、深部静脈血栓症、血圧の変動、不整脈心不全誤嚥、麻痺則の無菌性関節炎、褥瘡、消化管出血、尿路感染症などの合併症に注意することが勧められる。(グレードB)

 

◾️病気別リハビリテーション

リハビリテーション(座位、立位訓練などの離床訓練)を開始する場合、まずJapan Coma Scale1桁で、運動の禁忌となる心疾患や全身合併症がない事を確認する。さらに、神経症候群の増悪がない事を確認してからリハを可及的早期に開始することが勧められる。(グレードB)

 

早期離床を行う上で注意すべき病態においては、離床の時期を個別に行う事を考慮しても良い(グレードC1)

脳出血:入院後の血腫増大、水頭症の発症、血圧上昇、橋出血など

脳梗塞:主幹動脈閉塞または狭窄、脳底動脈血栓症、出血性梗塞など

くも膜下出血

 

病型別に離床の時期を決定するのではなく、重症度などを考慮し個別に行う事を考慮しても良い。(グレードC1)

 

◾️評価

リハビリテーションを行うにあたり、脳卒中の病態、機能障害、能力低下、社会的不利を評価するよう勧められる。(グレードB)

 

汎用され、信頼性・妥当性が高く検証されている以下の評価尺度を用いるように勧められる。(グレードB)

⑴総合評価:Fugel-Meyer Assessment、脳卒中重症度スケール(JSS)、SIAS、NIHSS

※少なくても1つ

⑵運動麻痺評価:Br-stage

⑶筋緊張評価:mAS

⑷ADL評価:FIM、BIの少なくても1つ

 

◾️予測

リハビリテーションを実施する際、日常生活活動(ADL)、機能障害、患者属性、併存疾患、社会背景などをもとに予測される機能、在院日数、転帰先を参考にしてリハプログラムを計画するよう勧められる。(グレードB)

 

予測にはすでに検証の行われている予測手段を用いることが望ましく、その予測精度、適用の限界を理解しながら使用するよう勧められる。(グレードB)

 

◾️運動障害、ADLに対するリハビリテーション

脳卒中後遺症に対しては、機能障害および能力低下の回復を促進するために早期から、積極的にリハビリテーションを行うことが勧められる。(グレードA)

 

発症後早期の患者では、より効果的な能力低下の回復を促すために、訓練量や頻度を増やすことが勧められる。(グレードA)

 

下肢機能や日常生活動作に関しては、課題を繰り返す課題反復訓練が勧められる。(グレードB)

 

◾️歩行障害に対するリハビリテーション

歩行や歩行に関連する下肢訓練の量を多くすることは、歩行能力の改善のために強く勧められる。(グレードA)

 

脳卒中片麻痺で内反尖足がある患者に、歩行の改善のために短下肢装具を用いることが強く勧められる。(グレードB)

 

痙縮による内反尖足が歩行や日常生活の妨げとなっているときに、ボツリヌス療法、5%フェノールでの脛骨神経または下腿筋への筋内神経ブロックを行うことが勧められる。(グレードB)

 

痙縮により尖足があり、異常歩行を呈しているときに腱移行術を考慮しても良い。(グレードC1)

 

筋電図や関節角度を用いたバイオフィードバックは、歩行改善のために勧められる。(グレードB)

 

慢性期の脳卒中で下垂足がある患者には機能的電気刺激(FES)が勧められるが治療効果の持続は短い。(グレードB)

 

トレッドミル訓練脳卒中患者の歩行を改善するので勧められる。(グレードB)

 

歩行補助具ロボットを用いた歩行訓練は発症3ヶ月以内の歩行不能例に勧められる。(グレードB)

 

◾️脳卒中ガイドライン2009→2015の違い

個々の患者の障害、ニードに対応したオーダーメイドのリハビリテーション・アプローチを行うように勧められる。(グレードB)

 

機能的電気刺激やペダリング運動は歩行能力の向上や筋再教育に有効であり、通常のリハビリテーションに加えて行うことが勧められる。(グレードB)

 

歩行補助ロボットを用いた訓練は発症3ヶ月以内の歩行不能な患者に勧められる。(グレードB)

 

起立-着座訓練や歩行訓練の量を多くすることは、歩行能力の改善のために強く勧められる。(グレードA)

 

運動障害やADLに対するリハビリテーションについて、Bobath法などの神経筋促通手技は行っても良いが、伝統的なリハビリテーションよりも効果的であるいう科学的根拠はない。(グレードC1→評価の対象として取り上げられず)

 

認定試験の範囲になっているのはこれくらいですかね。僕が勤めている病院では一斉起立練習と言うのがあって、最大で120回を行う練習が取り組まれています。起立練習の量を多くするという事は、下肢訓練量を多くする事にも繋がりますね。

一斉起立練習も40床以上あって数名しか参加しない病棟と半分近い人数が参加している病棟とで別れてしまっている現状です。この状態が続いたときに各階におけるFIM取得率に差が出現しているのか確認していきたいところですね!

あとは患者様たちが同じ場所で同じ練習をする。これには患者様同士でのミラーリング作用が働きやすくなれば、自然と仲間意識が芽生えやすくなり患者様同士でモチベーションを高め合うコミュニティの場にも活用出来るのではないかなと前向きに捉えています。

 

横道に逸れてしまいましたが、こうやって認定試験に向けて勉強しながらも日々の臨床に繋げて考えると覚えやすいかなと思うので是非試してみてくださいね!

 

👋