平凡理学療法士のメモ書き

埼玉県で働く平凡な理学療法士によるメモ書きみたいなものです。自分のアウトプットでもあり、それを読んで少しでもタメになる人がいればと思います。

脳卒中の病態と治療(認定試験)

こんにちは。本日は認定の試験範囲でもある脳卒中の病態と治療についてまとめていこうと思います。

病態は知っていても治療については知らないと言う人が多いと思います。

理学療法を進めて行く中で、どのような薬を飲んでいるのかを知るのも評価のうちの1つだと私自身は考えています。

 

脳卒中の病態と治療

 

 

脳卒中とは脳の血管に起こる病気。

脳の血管が急に破れたり、詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。

 

◾️脳梗塞は脳の血管が動脈硬化で狭くなって起こる。

  要因:高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症

  →動脈硬化

 

◾️脳塞栓は脳の外から流れてきた血栓が血管に詰まって起こる。

  要因:心房細動、心筋症、心臓弁膜症、洞不全症候群

  →不整脈など心疾患

 

◾️脳出血は主に高血圧が原因で、脳の内部の血管が破れる。

  要因:高血圧(他の要因:脳動脈奇形、もやもや病など)

 

◾️くも膜下出血は脳の表層部分で出血が起こる。

  要因:動脈瘤、高血圧、飲酒、喫煙(他の要因:脳動静脈の奇形など)

 

◾️降圧療法を受けると脳卒中約4割減少する。

 

◾️脳梗塞の症状が出た後の医療機関への「早期受診」「早期治療」が何よりも大事。

 

脳梗塞)急性期の血栓溶解療法のエビデンス

 

 

◾️r t-PA、アルテプラーゼ0,6mg/kgの静脈内投与は、発症から4.5時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害で適応と判断された患者に対して強く勧められる。(グレードA)※アルテプラーゼの静脈療法は保険適応

 

◾️発症後4.5時間以内であっても、治療開始が早いほど良好な転帰が期待できる。このため、患者が来院した後、少しでも早く(遅くとも1時間以内に)アルテプラーゼ静注療法を始めることが強く勧められる。(グレードA)

 

◾️現時点において、アルテプラーゼ以外のt-PAなどの静脈内投与は十分な科学的根拠がないため、勧められない。(グレードC2)

 

◾️rt-PA静脈内投与は発症から4.5時間以内に治療をしなければいけないために、3時間以内に病院に到着することが必要。(投与の禁忌事項や慎重投与項目が多いので、時間に間に合っても投与出来ないこともある。時間に間に合わなくても早く受診することが大切である。

 

血管内再開通療法について

 

 

◾️前方循環の主幹動脈(内頸動脈または中大脳動脈M1)閉塞と診断され、画像診断などに基づく治療適応判定がなされた急性期脳梗塞に対し、アルテプラーゼ静注療法を含む内科治療に追加して、発症6時間以内に主にステントリトリバーを用いた血管内治療(機械的血栓回収療法)を開始することが強く勧められる。(グレードA)

 

◾️発症6時間以内であっても、治療開始及び再開通までの時間が早いほど良好な転帰が期待できる。このため、患者が来院した後、少しでも早く血管内治療(機械的血栓回収療法)を行うことが勧められる。(グレードA)

 

◾️神経脱落症候を有する中大脳動脈閉塞においては、来院時の症候が中等度以下で、CT上梗塞巣を認めないか軽微な梗塞にとどまる場合。

・発症から6時間以内に治療開始が可能→選択的局所血栓溶解療法が勧められる。(グレードB)

・発症4.5時間以内に薬剤投与開始が可能→アルテプラーゼ静注療法が第一選択となっていることに留意。

 

◾️アルテプラーゼ静注療法が無効または非適応の場合、原則として発症から8時間以内の主幹動脈閉塞による急性脳梗塞に対し、画像診断などに基づいた適切な症例選択の上で、脳血栓回収用機器による血管内治療(機械的血栓回収療法)を考慮しても良い。(グレードC1)

 

 

急性期の抗凝固療法

 

 

=ヘパリン、選択的抗トロンビン剤(アルガトロバン)

適応:心原性脳塞栓症、クレシェンドTIA、進行性脳梗塞

 

◾️発症48時間以内で病変最大径が1.5cmを越すような脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)には、選択的トロンビン阻害薬のアルガトロバンが勧められる。(グレードB)

◾️発症48時間以内の脳梗塞ではヘパリンを使用することを考慮しても良い。(グレードC1)

◾️脳梗塞急性期に低分子ヘパリン(保険適応外)、ヘパリノイド(保険適応外)は使用することを考慮しても良い。(グレードC1)

 

 

急性期の抗血小板療法

 

 

アスピリン、トロンボキサンA2阻害薬(オザグレルナトリウム)

適応:ラクナ梗塞、アテローム血栓脳梗塞

 

◾️アスピリン160〜300mg/日の経口投与は、発症早期(48時間以内に開始)の脳梗塞患者の治療法として強く勧められる。(グレードA)

◾️抗血小板薬2剤併用(例えばアスピリンとクロピドグレル)は発症早期の心原性脳塞栓症を除く脳梗塞もしくは一過性脳虚血発作(TIA)患者の亜急性期までの治療法として勧められる。(グレードB)

◾️オザグレルナトリウム160mg/日の点滴投与は、急性期(発症5日以内に開始)の脳血栓症(心原性脳塞栓症を除く脳梗塞)患者の治療法として勧められる。(グレードB)

 

 

脳保護療法

 

 

=エボラボン、フリーラジカルスカベンジャー

適応:心原性脳塞栓症、アテローム血栓脳梗塞ラクナ梗塞

 

◾️脳保護作用が期待されるエボラボンは脳梗塞血栓症、塞栓症)患者の治療法として勧められる。(グレードB)

◾️脳梗塞発症後1年以内の病型別再発率は心原性脳塞栓症が9%とアテロームラクナに比べて高い数値である。

 

ここまで書いてみましたが、もう頭がいっぱいいっぱいなので、やめにしようと思います笑

なかなか薬を覚えるのが難しいなぁと感じます。

次回は薬について急性期と慢性期での“抗凝固薬”と“抗血小板療法”をもう少しまとめていけたらと考えています!

では、また次回!!